文化財修理

文化財の火災防御訓練

 1月26日の文化財防火デーを前に、会津若松市の文化財消防訓練が下荒井観音堂で行われましたので、見学に行ってきました。この観音堂は、一昨年10月に修理工事で関わらせていただいた会津若松市指定文化財で、工事が終わったばかりの昨年に訓練が行われるはずだったのですが、コロナ感染拡大により中止になったため、今年改めて行われたものです。

 下荒井町内会、消防署、消防団、会津若松市文化課の方々が訓練を行っていました。発煙筒の煙を火事に見立て、まずは消火器で初期消火を試みると同時に宝物を持ち出し、消防署に通報、通報を受けて消防署及び消防団が駆けつけました。ポンプ車は3台出動し、西側の道路に1台、東側の道路に2台配置し、消火栓は使用せずに、それぞれ用水路から水を吸い上げてホースで送り、放水していました。東側はポンプ車2台を中継する方式でしたが、なぜ1台ではできないのだろうかと考えていました。後に、消防団の知人に聞いたりもしてみて、水を揚げるのと放水するのを同時に作業するのには1台では限界があるので、水源の近くで吸水に専念する車と、火元近くで放水する車の2台にしているのだろうと推察しました。放水は屋根には当てず、周囲の畑に向けて放水していました。 

 国の重要文化財ではポンプ庫や放水銃が整備されていますが、市町村指定の文化財ではそこまで整備されていませんので、消火栓は使用できるのか、どこから水を吸い上げるのか等を実際に想定して、訓練することが重要なのだと痛感した訓練でありました。

 

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