神社修理

本殿破風金具の新調と銅板葺終了

 津島神社の社殿は、彫刻は豪華ですが、破風や垂木などの飾金具はほとんど付いていません。前回写真を載せた拝殿唐破風の金具と、隅木木口の金具があるくらいで、あとはもっと上の箱棟や鬼板に付いている紋金具になります。今回、文化財のような修理をしながら、本殿はもう少し装飾したいとのご意向がありましたので、本殿破風金具を新しく作製しました。破風の拝みと破風尻、その中間の散らし金具、そして木口金具です。形と大きさを検討して弊社で図面を書き、中の文様は、唐破風の金具を参考にして、(有)阿鶏工藝に唐草をデザインしてもらいました。また、唐草以外の地金に魚々子(ななこ)打ちを施して、文様が立体的に見えるようにしました。魚々子打ちとは、細かい魚卵のような点々模様を一面に打ち込んでいく技法なので、このような漢字を当てるそうです。仕上がった飾金具を破風本体に取り付けたところ、形や大きさ、文様ともにちょうどよくできたと思います。

 

 それから、本殿の銅板葺が終了しました。本殿は段葺といって、継ぎ目に段をつける工法で葺かれており、より立体的で重厚な屋根となっています。栩葺(とちぶき)に銅板を被せたような形状でもあります。補修した鬼板と新しく作り直した鬼板を銅板で包み、クレーンで吊って持ち上げ、所定の場所に据え付けました。

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