神社修理

伊佐須美神社東参道鳥居修理工事①

 6月、伊佐須美神社東側の宮川沿いに建つ鳥居の修理工事が完成しました。数年前から控え柱廻りの腐朽が著しく、修理のお話しをいただいていましたが、いよいよ修理をすることになり、昨年の春に、まずは解体をしました。その年の秋に、取り替えに必要な木材を購入し、乾燥させていましたが、今年5月より加工を始めていました。

 この鳥居は、両部(りょうぶ)鳥居と呼ばれる形式で、本柱の前後に控え柱を建て、これに二段の貫を通して繋いでいます。宮島の厳島神社などは同じ形式です。

 この控え柱について。設計の視点から、柱の転びと同じように転んでいるものと思い込んでいましたが、修理のための図面を書くに当たって詳細に調査したところ、ここの鳥居では、控え柱は転んでおらず、垂直に立っていることが分かりました。図面を見てみると、本柱と控え柱では傾きが違うのが分かるかと思います。おそらく、転びを同じにしている鳥居の方が多いとは思いますが、何事も思い込みはよくないものです。

 解体について。上部の島木、笠木と呼ばれる横材は、銅板葺きの屋根が掛かっているため、腐朽しておらず、再用できそうでしたので、解体の時には大きくばらし、クレーン車で吊って取り外しました。本柱や控え柱は、土中の部分がコンクリートで根巻きされ、基礎となっていましたので、抜けるはずがなく、また腐朽も進んでいたため、柱の根本で切り、吊り上げて解体しました。後日、コンクリートの中に残された柱を掻き出さなければならなかったのですが、これがたいへんな作業になるとは、誰も予想していなかったのでした、、、。作業としては、残った木材をドリルで崩しながら掻き出していくわけですが、木材を崩すのに苦労した上に、掘っても掘っても底に行き当たらず、結局その深さは90㎝に及んでいたのでした。職人がたいへん苦労して、6箇所の穴を掻き出しました。

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