東光寺本堂を屋起こしするために、建物を固めている内法長押や柱廻りの床板を取り外しました。左官屋には、柱際の土壁に切り目を入れて、柱と壁との縁を切ってもらったり、柱の上の方にベルトを巻き付けられるように壁土を落としてもらったりしました。
準備が整った先週、屋起こしを行いました。三間ほど離れた柱同士の柱頭と柱脚とを斜めにチェーンブロックで繋ぎ、チェーンを引くことによって柱を引き寄せ、起こしていきました。チェーンが掛けられる柱を1箇所ずつ、少しずつ動かして修正していきます。柱が動くか懸念していましたが、作業は順調に進み、柱の傾斜を修正することができました。柱脚は根巻きコンクリートにより動かず、これより上の部分が地震によって動き、土壁があったため元に戻らなくなっていたと考えられます。土壁との縁を切ったことにより、柱を元に戻すことができました。また、柱から抜けそうになっていた造作材の仕口も、元の通りに納めることができました。
チェーンブロックはそのまま固定しておき、今週は、左官屋に柱際の壁土を塗り直してもらっています。修正した建物を土壁で固めていく方針です。