東光寺本堂の漆喰上塗りが完了し、足場を解体しました。壁の白さが青空に際立ちます。内部も足場がなくなったので、現在は額を元の通りに復旧したり、畳を敷き直す作業をしています。
ここで東光寺の紹介を少し。東光寺は曹洞宗の寺院で、阿武隈急行保原駅から車で5分ほどの小高い丘の上に位置しています。応永2年(1395)、伊達氏中興の祖と称される九代政宗公を開基とし、川俣町頭陀寺の第七世鸑雄大鷟大和尚禅師を勧請して開山されました。初代仙台藩主となり「独眼竜」として知られる政宗公は十七代ですから、遡ること八代前の政宗公です。十七代の政宗公は、九代の政宗公にあやかって名付けられたといいます。九代政宗公は、鎌倉公方足利満兼が伊達家に対して領土割譲を求めてきたのを拒み、大崎氏などと同盟して鎌倉方と戦いました。
記録によれば、東光寺は、政宗公から寺領四十八町余畝歩を賜ったといいます。境内には政宗公を供養した五輪塔が残されており、また位牌堂には御位牌が安置されていて、伊達家と縁の深い寺院となっています。
東光寺のすぐ近くにある保原総合公園には、重要文化財旧亀岡家住宅という洋館が移築保存されており、見所の点在する地域でもあります。旧亀岡家住宅は、福島県の技手であった江川三郎八が設計したとされていますが、その詳細についてはまたの機会に。