日蓮宗大本山池上本門寺の周辺には、現在24ヶ寺(本門寺を含む)の子院が残されていますが、その一つ、中道院の本堂庫裏において、玄関の改修工事を施工させていただきました。
池上本門寺では、2008年に宝塔の修理工事に携わらせていただいて以来、関係する色々な建物の修理に携わらせていただいています。2009年には中道院山門、2011年には鎌倉妙本寺の二天門、2018年には大本山総門の修理工事を施工しました。中道院本堂庫裏の玄関を改修したいというお話しは、三年以上前からいただいていたのですが、コロナ禍で東京に行きづらい状況になり、たいへんお待たせすることになってしまい、心苦しいことでした。
今回の工事では、建付が悪くなってしまった玄関の木製建具を作り直すこと、土間にタイルを張ること、玄関脇の窓をサッシに取り替えることをメインに行いました。初めは、玄関建具も既成品アルミ枠のもので検討していたのですが、本堂庫裏の玄関に似合うデザインのものがなかなか見つからず、最終的にやはり木製で4枚建ての引違戸に作り直すことになりました。また、土間は一回解体して新しくコンクリートを打設し、タイルを張りました。これに伴い、柱の根元が腐朽して沈下している箇所の修理も行いました。
建具のデザインは本堂庫裏に似合うものに辿り着いたと思いますし、土間の石灰岩調黒色タイルにより全体が引き締まり、格式のある玄関に改修されたと思っています。何より、お寺様のご意向に沿うことができて、一安心です。