神社修理

津島神社の工事が進みました

 この2ヶ月の間に、津島神社の修理工事もだいぶ進みました。基礎工事、石工事を経て、拝殿の曳き戻しまで完了しました。タイトル画は、曳き戻して定着させた拝殿の写真です。

 まず、地盤改良杭の上に新しく基礎を打設し、その上に、外していた礎石及び束石を据え付けました。柱と束の底面には太枘(だぼ)が付いていて、礎石及び束石の上端にはこれを嵌める太枘穴があけられていますので、これらがずれないように位置をしっかりと墨出しし、レベルを合わせながら石を据え付ける精緻な作業でした。また、拝殿向拝では、柱脚が腐朽した向拝柱を根継補修をすることになっていましたが、建物が持ち上げられている状態での方が作業がしやすいので、先に根継補修を行いました。

 そして、拝殿の曳き戻しです。曳家をした時と同じくレールを敷いて建物を横に曳き、所定の位置まで来たところで少しずつ降ろしていきました。拝殿の礎石は14個、束石は48個ありますが、幸いなことに太枘の位置が大きくずれてしまった石はありませんでした。また、3ヶ月前に建物を曳いてから、徐々に軸部の傾きが大きくなってきていたのですが、曳き戻した後にはその傾斜がほぼ元に戻り、胸を撫でおろしました。曳家中は鉄骨で柱脚を挟んで固めてはいますが、それでも柱が下がってくるようで、足元が固まっていない不安定な状態が長くなってきたため、傾いていたとみられます。それでもまだ垂直にはなっていないので、今後傾斜の修正も行います。

 なお、これから行う本殿の曳き戻しは、神社様の発案により近隣の小学生が見学する中で行う予定となっています。

基礎工事
礎石・束石の据え付け
向拝柱の根継補修

 

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